当店のミニ畳<Joe>の特徴は、何と言っても畳縁(たたみべり・布地部分)に使う布にあると思っています。
基本的に、お客様からリクエストをされない限り、本来の畳縁(和室に敷かれる畳に使われる畳縁のこと)は使わず、全て私が一目惚れをした布や「ビビッ!」と感じた布を使って制作しております。
今日はこれまで自分の直感で手にしてきた素敵な布たちとの出会い、その遍歴についてのお話です。
合皮から始まり風呂敷へ
10数年前の処女作は合皮でした。
その次は風呂敷専門店 むす美さんで購入した風呂敷。
古典的なものからモダンなデザインまで揃うむす美さんの風呂敷に惹かれ、畳と同じく大切な日本文化の一つである風呂敷と融合させたくなり、 ミニ畳<Joe> の販売開始当初は【畳feat.風呂敷】のシリーズ化したものでした。
この時に出会った板谷なおみ氏の美しいちりめん風呂敷に魅了されて生み出されたのが、 畳を風呂敷で包むイメージの “ふんわり包み” という完全オリジナルの手法です。
(こちらについては、[デザイン]畳縁のタイプをご覧ください。)
和布から海外輸入へと冒険
それまで通っていた風呂敷屋さんから生地屋さんへ。
足繁く“むす美”さんに通い、「畳にしたい風呂敷」を買い尽くした私は、冒険するかのように、週末は“生地探しの旅”へ出るようになりました。
そうして何件もの生地問屋さんを回るようになり、いつしか自分に合う生地屋さんに辿り着きました。
そこでは知らない世界に心躍らせ、見るコーナーが和布から海外輸入へと幅が広がっていきました。
娘の誕生により、好みと作品に変化が!?
第2子が女の子だったことで、それまで無縁だった「可愛らしい花柄」が気になるようになりました。
ママ友からその気になる小さな花柄は『リバティ』ではないかと教わり…
即調べ、心奪われ、次々とリバティプリントを使ったミニ畳<Joe>が誕生していきました。
・・・その数年後、 お客様を通してリバティジャパン様の元へプレゼントされるという夢のような奇跡が!!
その時のお写真はTrois Ruban様のインスタグラムをご覧ください。
そして原点に戻って日本の金襴に
ミニ畳<Joe>を作り始めてから10年が過ぎた頃、いろいろと振り返り、素直にふと「原点に戻りたい」と思いました。
それまで数々の洋風作品を作ってきた反動だったのかもしれません。
その時、たまたまインターネットの広告画面で目に飛び込んできたのが金襴(きんらん)という種類の布でした。
まずは自宅のしめ縄畳用にと仕入れ、その美しさに魅了されて、即座に金襴を使ったミニ畳 <Joe> を発表することとなりました。
今では金襴が主力作品の一つとなっています。
当店ではこのように2006年より、本来の畳縁ではなく、また和布でもなく、風呂敷を使ったミニ畳<Joe>の制作・販売をしていました。
その当時に仕入れた中で、特にお気に入りやもう手に入らないものは今でも大切に保管し、フルオーダーのご相談があった時のみ、必要に応じてご提案しております。
次回は、布地の種類ごとにご紹介しますので、どうぞお楽しみに♪