母の日に、紫陽花の鉢植えを実家へ届けに行った際、父からいくつか畳の道具をもらいました。
短気で、頑固で、自己中で、真面目で、厳しくて、完璧主義で、冗談の通じないおっかない昔気質の職人だった父。
そして畳屋を継がせてくれなかった父。
私のミニ畳を「邪道だ」と言った父。
そんな父から、道具をもらえる日が来るとは…
感慨深いものがあります。
新宿にある実家の長南畳店はもう数年前にお店を閉めています。
看板を下ろし、大きな機械や車もカブも手放しているので、お店の中は寂しいぐらいに空っぽ。
だけど、棚の中にはまだ畳の道具が入っています。
その中には私が使ってみたい道具があるので、今回初めて父に恐る恐る貸してほしい相談をしました。
すると父は、
「もう使わねぇから。全部持っていっていいよ。」
と、言ってくれました。
しかし、ここはかつて長南畳店だったところ。
その証として、畳の道具がぎっしり詰まっているこの青いお道具箱には、まだまだそこに居続けてもらいたい…
そう思ったので、3つほどもらうことにしました。
たまたま手に取った手前に写る黒檀を使った「へり引き」という道具は、なんと初代の曾祖父のものだそうで100年以上の代物!?
私が生れるずっとずっと前の、
曾祖父から祖父へそして父が使ってきた道具。
子どもの時から見てきた道具。
それが今ここにある。
ちょっと大人になった気分というか、
なにか認めてもらえた気分といいますか…
今年で15年目に突入した私のミニ畳<Joe>。
これからは、父からもらった道具を使って
一つひとつ心を込めて作り上げていきたいと思います。
最後に・・・
お父さん、ありがとーーーーーー!!!!