
こんにちは、長南畳店です❀
今回の記事では、ひな人形・五月人形の専門店「京玉(きょうぎょく)」様とのコラボレーションで制作させていただいた、オーダーメイドの畳の飾り台(親王台)をご紹介する【後編】となります。
前編では、今年制作させていただいた5点のうち3点をご紹介しましたが、
後編では、人気により再販となった格式ある金襴生地の畳と、京玉様オリジナルの繧繝柄の畳をご紹介いたします。
もし前編をご覧になっていない方は、ぜひこちらからどうぞ👇
それでは、後半の2事例もどうぞゆっくりお楽しみください🌸
【事例④】格式高き立湧文様の金襴生地 × 雛人形と畳の調和
ー 平安時代から続く伝統文様が、雛人形と上品に響き合う

こちらの畳に使用されたのは、京玉様お持ち込みの金襴生地。
黒地に立湧(たちわき/たてわき)文様と真っ白な華文様が浮かぶ、格式高いデザインです。
立湧文様とは、雲や水蒸気が立ちのぼる様子を表現した有職文様で、
平安時代には貴族の装束にも用いられていた、縁起の良い伝統柄。
運気を高める文様として、現代でも愛され続けています。
畳単体で見ると、その華やかさから「どんな雛人形と合わせるのだろう?」と想像がつきにくい一枚。
ですが、茜色や銀鼠(ぎんねず)色といった落ち着いた衣装と組み合わせることで、
深みのある赤と白の丸紋が美しく調和し、派手になりすぎず上品に仕上がっていました。
雛人形の世界観と畳の存在感を絶妙なバランスでつなぐセンス、
さすが専門店ならではの組み合わせですね👏✨


【事例⑤】繧繝柄「雪色」× 雛人形を優しく引き立てる上品な雛畳
ー 白のやさしさと織り柄の美しさが、雛人形の空間を静かに彩る

今回の最終事例でご紹介するのは、収納三段・五人飾り『雪上桜』に合わせてお作りした畳です。
畳のデザイン自体は、前回と同じ繧繝(うんげん)柄の畳縁を使用していますが、
色はなんとも美しい、京玉様オリジナルの「雪色」❄。
乳白色の和紙製畳表とのナチュラルな調和が、
上品でやわらかく、どこかぬくもりのある雰囲気を醸し出しています。
この畳は、人気につき再販となった収納タイプの立派な段飾り用。
再び制作のご依頼をいただけたことが、とても嬉しく、そして誇らしい出来事でした。


展示の様子を動画でご紹介します
埼玉県深谷市にある人形専門店「京玉(きょうぎょく)」様では、今年も長南畳店の畳を展示していただいています。
展示の様子を実際に訪れて撮影してきましたので、雛人形と畳が並ぶ空間の雰囲気を、ぜひ動画でもご覧ください。
ひとつの夢が叶い、そしてつながっていくご縁
お人形専門店様とのお仕事は、長年の夢であり、心の中でずっとあたためてきた目標でもありました。
その夢が初めて形になったのは2023年のこと。
InstagramのDMをきっかけにご縁をいただき、雛人形に私の畳がセットされ、実際に販売されるという、まるで夢のような経験をさせていただきました。
そして2024年には、そのご縁が続き、ご依頼いただく畳の種類も増え、さらに制作の機会にも恵まれる一年となりました。
こうした流れを経て、改めて感じるのは、
「見つけてくださったこと」「続けてくださったこと」への、深い感謝の気持ちです。
京玉様、Instagramで私を見つけてくださり、本当にありがとうございます。
2025年もまた、素敵な畳をお届けできるよう、心を込めて制作に励んでまいります。
【“ひな人形の世界観”を引き立てる畳づくり】
職人のこだわりに、同じく職人の畳で応えたい。
ひな人形をつくる作家さんが、お衣装・構図・色彩に細やかに心を配るように、
私たち畳屋も、畳の「質感・色味・光の反射」までを考慮してお作りしています。
畳の一つひとつが、世界観の完成度を左右する——
そんな想いを胸に、畳の上で輝くお人形たちの舞台を、これからも丁寧に作り続けたいと思います。
【ひな人形作家・販売店の皆さまへ】
特別なひな飾りにふさわしい「畳の飾り台(親王台)」を、オーダーメイドでお作りします。
形状やサイズ、生地の持ち込みなどの細かなご希望にも対応可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
長南畳店では、20年にわたりミニ畳を手がけてきた経験と、丁寧な手仕事を活かし、
雛人形や作品の魅力を最大限に引き立てる“舞台”をご提案いたします。
「この雛飾りにぴったりな畳をつくってほしい」
「この布を畳に使えますか?」といったご相談も大歓迎です。
また、小ロットでのご依頼も喜んで承っております。
まずはお気軽にご希望をお聞かせください。
なお、当店ではすべての制作を一人で行っているため、ご依頼いただける制作枠に限りがございます。
特に販売店様からのご注文は、例年夏〜秋頃には新年度分の枠が埋まり始める傾向がございます。
ご希望の時期が決まっている場合は、ぜひお早めにご相談いただけますと安心です。
想いをかたちにする“畳の飾り台”のご相談、心よりお待ちしております。
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前編では、日本間風の正統派ひな人形や、南国モチーフ、ラメ入り畳などもご紹介しています。