
映画のワンシーンをイメージしたオーダーミニ畳
ホームページのお問い合わせから、こんなご相談をいただきました。
「映画『座頭市』の丁半博打のシーンで使われているような畳をイメージしています。
一辺25cmの正方形で、四方縁のミニ畳をお願いできますか?」
濃紺の無地の縁をご希望で、素材は麻か綿を検討中とのこと。
畳表には龍鬢表(りゅうびんおもて)を、芯材は高さ4cmでおすすめのものをとのご依頼でした。
遠州綿紬(濃紺)で再現する伝統美
ご希望の生地が手元になかったため、いくつか候補を探してご提案。
最終的にお選びいただいたのが、遠州綿紬(濃紺)です。
●江戸時代から続く伝統的な綿織物で、日本らしい落ち着いた色合いが魅力。
●生産終了となったシャトル織機を使い、職人が気温や湿度に合わせて織り上げています。
広島県・山根商店の「龍鬢表」を使用
畳表には、広島県の山根商店さんが織る「龍鬢表」を使用。
熊本県産い草を何度も天日干しし、黄金色に仕上げてから織り上げられた逸品です。
光の加減で表情が豊かに変わり、伝統と風格を感じさせます。
静寂の中に映える美しい佇まい

今回初めて、織りに特徴のない無地の生地でミニ畳を制作しました。
シンプルながらも力強い存在感があるのは、伝統的な遠州綿紬と龍鬢表という一つ一つの素材の質の高さのおかげだと感じます。
丁半博打シーンの再現にこだわった四方縁

ご相談時に添付されていた勝新太郎の座頭市の動画を拝見すると、畳が映るのはほんの一瞬。
そのわずかなシーンを何度も見返しながら、縁幅のバランスや厚みを何度も検討しました。
今回は高さのある厚畳タイプの四方縁。
すべての工程において、いつも以上の緊張感を持って制作しました。
実は一度は縁幅のバランスに納得できず、作り直しをしています。
偶然のつながりで思い出深い作品に
制作の途中、ふと父の話を思い出しました。
「50年くらい前、丁半賭博のいかさま痕跡が残る畳替えをしたことがある」と…
さすが新宿の畳屋(笑)
でもまさか自分も、そんな世界のイメージミニ畳を作る日が来るとは思ってもみませんでした。
そしてちょうど同じ頃、息子が文化祭で「カジノでチンチロをやる」と言っていて……。
なんだか不思議なタイミングで、より思い出深い作品になりました🎲
この貴重なご縁をくださったA様、ありがとうございました。

ご依頼・ご相談はお気軽に
今回のように、映画やドラマのワンシーン、思い出の場所などをイメージしたオーダーミニ畳のご相談も承っています。
生地探しからご提案まで丁寧に対応いたします。
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